聞こえに不便を感じている方々にとって、集音器は日常生活の質を大きく向上させるツールとなっています。しかし、集音器は補聴器と比較されることが多く、「音を大きくするだけで、雑音も一緒に大きくして聞こえにくい」という認識がされています。補聴器の進化もめざましいものがありますが、集音器も同様に進化しています。

今回は最新の集音器の機能についてご紹介します。

集音器の機能

集音器には、次のような機能を搭載した器種があります。

音量調整機能

使用環境に応じて音量を大きくしたり、小さくしたりする機能です。集音器の根幹的な機能ですね。

集音器の器種によっては、「クリックするたびに音量が一段階変化する段階調整型」と、「指でなぞるように細かく音量調整できるスライド調整型」があります。段階調整型は簡単にわかりやすく音を上げ下げできますが、細かな調整はできません。

スライド調整型は細かな調整ができますが、音量の目安がないので調整に手間取ることがあります。

雑音抑制機能

会話音を重点的に増幅して環境音などの雑音を抑制する機能です。基本的に多くの集音器が人間の声(会話)の周波数帯を増幅して、他の音域を抑制する方法となります。

人の声が聞き取りやすくなることで、家族だけでなくテレビの音も聞き取りやすくなります。また、聞き漏らさないように注意を払う必要も少なくなりますので、聞き取りに関する疲労が軽減されます。

使用者はストレスなく集音器をつけておくことができます。

ハウリング抑制機能

ハウリング(ピーピー音)を抑制する機能です。ハウリングは、増幅した音を再び集音器のマイクが拾うことで発生します。ハウリングを抑制する方法は大きく3つあります。

1つ目は特定の音の増幅を小さくする方法です。ハウリングを起こす音を小さくします。2つ目に逆位相式と呼ばれる方法で、ハウリングの音と反対の音を作り出すことでハウリングの音を打ち消す方法です。最後の1つは、ハウリングが発生する周波数帯をずらしてハウリングの発生を防ぐ方法です。

どの方法を採用しているかはメーカーによって異なります。

集音器も充電式が選択できるように

近年では集音器の充電式が進んでいます。電池式は小指ほどの電池を入れ替える必要があったため、ご高齢の方だけでなく若者でも電池交換は煩わしい作業でした。充電式は電池交換の必要がないので、ご高齢の方でも使いやすいです。さらに、補聴器の充電タイプは安いものでも10万円ほどしますが、集音器はその10分の1ほどの値段で買えるのも魅力です。器種によっては、充電ケースにも蓄電できるタイプもあり、急な充電切れでも少しの間ケースに入れておけばすぐに使用することができます。

補聴器と集音器はどちらが良いの?

結論から言うと、補聴器です。集音器が進化したと言っても、補聴器も同様に進化しています。音量調節ひとつをとっても、補聴器の多くは自動で周囲の環境に合わせて調整します。

雑音抑制機能はさらに多種多様で、風雑音抑制、衝撃音抑制、自分の声と相手の声を分析する機能などがあります。そのため、補聴器と集音器のどちらが良いかと聞かれると、補聴器という回答になってしまいます。

しかし、集音器は補聴器よりも安価です。さらに、人によっては補聴器ほどの高性能な器種は不要という方もいます。気軽に試せるという点では集音器の方が優れています。

※補聴器と集音器は器種によって搭載している機能が異なりますので、よくご確認の上でご購入ください。

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