難聴の解決策として補聴器や集音器がよく取り上げられますが、改善がどれほど見込めるかわからない器械に対して、装用の手間や金額面から購入するにはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
さて、現代では従来の集音器や補聴器だけでなく、スマートフォンアプリも聴覚サポートの選択肢として登場しています。この記事では、スマホの集音器アプリについてご説明します。
なお、本記事は特定の集音器アプリの紹介ではないことをご了承ください。
スマホアプリや集音器アプリとは
アプリとは、スマホやタブレット上で起動するソフトウェアのことです。スマホのメールや電話などもアプリの一つで、利用度の高いアプリは事前にインストールされています。
集音器アプリの場合は、自分でダウンロードしなければなりません。AndroidではGoogle Play、iPhoneではApp Storeからダウンロードできます。 集音器アプリの基本的な機能は、周囲の音を集めて増幅することです。アプリによっては、雑音抑制や特定の音域の増減などの機能が搭載されています。
「集音器」や「補聴器」などのキーワードで検索すると、複数のアプリが表示されるので、求める機能を備えたアプリを利用規約の内容をよく確認してダウンロードしてください。中には課金制のアプリもありますので、注意が必要です。
集音器アプリのメリット
集音器アプリのメリットは次の通りです。
聞こえる生活を試せる
アプリをダウンロードするだけで、「聞こえる生活がどのようなものか」を体験できます。使用者は外出どころか、商品が届くのを待つ必要もありません。
その場で、すぐに聞こえる生活を体験できるのです。聞こえることがどのような影響を与えるのか確認したい方にとって、集音器アプリは良い選択肢となります。
無料または定額
集音器アプリは無料で提供されることが多いです。集音器は安くても1,000円以上、補聴器であれば2万円以上します。
このように無料の集音器アプリはコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。なお、これらのアプリが無料である理由は、アプリ内に広告を挟むことで収益を得ているからです。
身軽に外出ができる
外出時にスマホを持ち歩く方は多いです。そのスマホに集音器の機能が搭載されているため、身軽に外出することができるのです。
また、補聴器や集音器のように別途電池が必要ないため、いつものようにスマホを充電しておけばいつでも利用できます。ただし、後ほど説明しますが、集音器アプリの利用にはイヤホンが必要となります。
しかし、アプリには限界があります。
このように集音器アプリは便利ですが、いくつかの制限があります。
個別の調整ができない
集音器アプリは基本的に音を集めて増幅するシンプルな機能です。室内の静かな環境では会話をメインに集音してくれますが、街中などの騒音下では車の音などの雑音も含めて増幅します。
そのため、話し相手の声が雑音に邪魔されて聞こえにくいことがあります。個人の聞こえに合わせた調整や雑音の処理は補聴器が得意とするところで、多くの補聴器が個人に合わせた調整を行い、雑音の抑制機能を搭載しています。
音を集める場所が耳ではない
集音器アプリはスマホに内蔵されているため、スマホのマイクで音を拾います。スマホの位置が非常に重要になります。テレビなどの試聴であればテレビのスピーカー付近に置いておけば的確に音を拾うでしょう。しかし、スマホを胸ポケットに入れると衣ずれの音を拾い、カバンの中では周囲の音を集めることが難しくなります。これは、雑音を拾う回数が多いことを意味します。
充電の消費が早くなる
アプリを常時起動していると、スマホの充電が早く減り、動作が重くなることがあります。
スマホの主な使用目的が連絡手段であることを考えると、外出時に予想以上に充電が減り、連絡が取れなくなるひとつのリスクです。長時間の外出時はモバイルバッテリーを持参するなどの対策が必要です。
別途イヤホンが必要
集音器アプリの利用には、スマホと接続するイヤホンが別途必要です。ワイヤレスイヤホンがおすすめですが、有線タイプを購入する際は、スマホの機種によってはイヤホンジャックがないこともあるため、購入時は注意してください。
結論
ここまでご説明してきましたが、集音器アプリにはメリットだけでなくデメリットも存在します。
集音器アプリは手軽で簡単に始められますが、補聴器や集音器のように聞こえのサポートに特化していません。あくまでスマホにある一つの機能に過ぎず、機器本来の製造目的が異なります。
そのため、集音器アプリで聞こえが改善されなかったからといって諦めるのではなく、補聴器や集音器の検討もご検討いただければと思います。